生粉打 作美(甲賀市信楽町)::つばや菓子舗

つばや菓子舗

猿蓑もなか 背黒餅でおなじみの

生粉打(きこうち)って聞き慣れない言葉ですよね。私も数年前まで知りませんでした。
今回、紅葉撮影の旅で訪問したこの作美さんの箸袋の裏に「生粉打とは、つなぎを一切使わずそば粉のみの完全手打ち十割そばの事です」と書かれています。

そうなのです、湖南市の長寿寺から無理をして信楽に向かった理由は、作美さんの生粉打そばを食べるためなのです。
そば打ちの作業部屋が玄関の横にあり、サッシ越しに見ることができます。
このお店は、ご主人の藤井作美さんと奥様の二人で切り盛りされているお店で、2005年に開店されたとのこと。
玄関で靴を脱いで店内に通されると、左手が調理場で右手が座敷です。
座敷の左手に6人がけの囲炉裏席。衝立で仕切られた右手に座椅子4人がけのテーブルが2つ。合計14席。
先日の72席もあるお店とは大違いのこじんまりしたお店です。


実は、このお店、長野県茅野市で蕎麦に目覚めて近所で蕎麦屋探しをし始めた時・・・4年前にも数回蕎麦をいただいた事があり、久々の再訪問。
前回のそばのリベンジを兼ねていることは言うまでもありません。

座敷に通されると、
座椅子に座るテーブルが2つ空いていて、囲炉裏端に1組のご夫婦が居たのですが、迷わず合席で囲炉裏端に座りました。
このお店、常連なら合席が当たり前。

私や家内が囲炉裏が好きなのもありますが、この席からは窓越しに外が見ることができ、春はシダレザクラ、今は紅葉が見れるのです。お茶はもちろん香り高い蕎麦茶です。
(紅葉のある対面の席に、ご夫婦が座っておられるので写真なし)

メニュを見ると、昔は無かった、温かいメニュが充実しています。
昔は「釜揚げそば」があったはずですが、今は無くなっています。
また、ここんところの光熱費・燃料代、諸材料高騰の影響が原因なのでしょうか?
メニュの値段がそれぞれ100円ずつ上がっています。
参照:くま先生のブログ

参考までに、客席には、岩塩のミル、一味(?)、爪楊枝があります。

で、待つこと数分・・・登場したのが、盛り(ざる)¥900(家内も同じ)
茶碗蒸しのような器には、濃い蕎麦湯が入っています。
この季節・・・果たして蕎麦湯の熱さがいつまで保てるのか不安がよぎります。(←実はこれ、作美さんのコダワリだったのです。)

まずは、そばの見た目より・・・

粗挽き蕎麦で太い田舎そば風。
新そばの証である「やや緑色」に、「これ!これ!」と嬉しくなります。
写真を撮っている隣で家内が先にそばに手を伸ばして、幸せそうな顔でムフムフ笑っています。
そして「このあいだの蕎麦はいったいなんだったんだろう?」などと仰っています。

どれどれ?と私も何もつけずに蕎麦をいただいてみると!!
ムチムチした食感のそばは、しっとり、ムッチリ、力強く、香りがすばらしい!
噛むほどに新そばの魔力に微笑まざるを得ません。

そして岩塩をミルで挽いて、そばに少しつけて食べると、味に深みというか、甘みが増してこれまた美味しい!
ご主人の打たれた力強い粗挽き十割そば(生粉打)のムチムチ・シコシコ感がたまりません!

この訪問時には、新そば:福井県丸岡産(石臼挽き自家製粉用玄そば)を使用されていると店頭の掲示板に書かれていました。
しかし、蕎麦がこんなに美味しいと、蕎麦ツユと薬味の出番がありません。
家内も私も1/3くらい蕎麦つゆを使わずに食べてしまいました。

でも、蕎麦ツユとのハーモニーも楽しみなところ!
で、ワサビとネギを少し載せた蕎麦を蕎麦つゆに少しつけてススリますと!
これまた返しの利いた鰹の香りたっぷりの蕎麦!ウマウマです!

でも、ホンマに作美さんの新蕎麦は、何もつけなくても美味い!
昔は、蕎麦がもう少し細めで打ち方もこんなにムチムチしていなかった?そんな気がします。
今は新そばとは言え、前と数段違って、すばらしく力強い蕎麦になられているように思いました。

自分たちの前の席の客さんが帰られた片付けをされていた奥さんにそう伝えると、「主人は常に打ち方を変え、毎日同じものができないくらいだと言っています。美味しいと言って頂いて主人も喜びます」と。

そして「盛り」の蕎麦がペロリと無くなり、蕎麦湯を・・・
残念ながら、やっぱり冷めてしまっていました。
蕎麦湯・・・これは、やはり客の食べ進め方を見ながらアツアツを後出しして欲しいです・・・
ホンマに、蕎麦湯が冷めるくらい時間が経っていても、蕎麦粉とお湯が分離しないくらいに濃厚なものだけに勿体無いです。
それに、新そばのそば粉なのに・・・(>_<)b

(後日談・・・作美さん曰く、「うちの蕎麦湯は蕎麦の茹で汁じゃないんです。私の蕎麦湯は、朝から自分で挽いた蕎麦粉を蕎麦湯専用に水から沸かして沸騰する直前の一番美味しい状態でお出ししているので、最初から料理の一部として蕎麦湯を楽しんでいただきたいのです。」)

で、早々に盛りを完食!


そして私の前に間もなく運ばれてきたのが「温 山かけそば\1200」
ちゃんと注文の時に、盛りの後に温かい蕎麦を出してよろしいですか?と聞かれていました。
どこかの蕎麦屋と大違いです

山かけそば=ふわふわトロロにアサツキが彩りを添えています。
ツユは返しの利いた鰹の風味が豊かですが醤油が勝っているわけでも無く、甘みも余り無く、すっきり系。

トロロを箸でほぐし混ぜて蕎麦をすすると、山芋の優しい味と香り高い新蕎麦のムチムチ・・・これまた絶妙に美味しいのです!ハフハフ、ズルズルと箸が止りません。
そしてこの蕎麦にも濃厚蕎麦湯が付属しています。ツユを残してそこに投入ということなのですが、私は、あえてそれをせずに、蕎麦湯にミルで挽いた岩塩を入れて飲んでみました。
新蕎麦の香りだけを楽しめてこれまた美味しいのです。

一方、家内はエアコン下にあるそば料理メニュに唯一載っていた、そばぜんざい(温)・・・値段は失念。
上に載っている細い春巻きのようなものは、蕎麦粉で作られた中が空洞の焼き餅のようなものでカリカリです。
茶色いトッピングは香ばしく焦がした粗挽き蕎麦?
下のドロリとしたものは、蕎麦湯と蕎麦がきの中間のようなもので、控えめに甘く炊かれた小豆が入っています。
画面右下にある棒状のものは、お茶請けの塩こぶ。
私も少し、いただいてみましたが、あっさりした甘みながらトロトロの蕎麦とカリカリの香ばしい蕎麦の香りが楽しめる一品で、普段甘いものを頼まない家内が食べている最中にお代わりを頼もうか?とかなり悩んだのが良く分かりました。
(結局はダイエット中でお代わりしなかった(^_^;)

そうこうしているうちに、温 山かけそばを完食!ご馳走様でした!

家内も「そばぜんざい(温)」をペロリと完食。

久々に美味しい蕎麦を食べた家内は、私がこのブログをUPしようとしている隣で「来週の定休日にも作美の蕎麦を食べに行こうか?もちろん、ぜんざい付きで!」と言っています。
ブログなんだから、同じネタばかりじゃねぇ・・・(^_^;)

そうそう、ここ作美さんの器は、信楽焼きの山上陶器さんのもので、山上陶器さんに行く前に作美さんで蕎麦を食べて行くとお得な情報があります。

生粉打 作美
滋賀県甲賀市信楽町宮尻185-3

TEL:0748-84-0058

営業時間:11:30?15:00 売り切れ御免
(土・日・祝16:00まで)
定休日:水曜日・第3火曜日
(祝日の場合は営業 翌日休み)

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| 12:40 AM | comments (0) | trackback (0) |

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